チャイコフスキー ピアノ作品集 リヒテル(Pf)日曜日、今シーズン初めての野球観戦は、ヤクルト対楽天。
まだ風邪が完治していないので迷ったけれど、行ってみれば面白い。
神宮の外野席、初夏の風が心地よい。
楽天先発は「マー君」、伸びる速球がすばらしい。最高速は151キロだったけど、速いタマというのは数字以上に美しいのだった。
ヤクルトの増渕クンは、マー君と同級生。危険球で途中降板したのは残念。

試合前の練習風景

楽天が2点を先制。

珍しいマー君の打席姿(小さくてよく見えないナ)。このあと、叩きつけた打球は走者を帰して、ダメ押しの1点を稼いだ。
チャイコフスキーのピアノ曲は、それぞれ小粒ながらも、この作曲家独特のメランコリックな雰囲気が淡く漂う音楽だ。
・夜想曲 ヘ長調 op.10-1
・ワルツ・スケルツォ イ長調 op.7
・ユモレスク ト長調 op.10-2
・カプリッチョーソ 変ロ長調 op.19-5
・シャンソン円舞曲 op.40-2
・ワルツ 変イ長調 op.40-8
・ロマンス ヘ短調 op.5
・ロマンス ヘ長調 op.51-5
・少しショパン風に op.72-15
・いたずらっ子 op.72-12
・夕べの夢想 op.19-1
・メヌエット・スケルツォーソ op.51-3
・サロン風ワルツ op.51-1
・瞑想曲 op.72-5
・5月(白夜)
・6月(舟歌)
・11月(トロイカで)
・1月(炉端にて)
それぞれ2分から長くて8分の曲である。
雪の降る夜に、暖炉でウォッカをやりながら聴くのに、これほどふさわしい音楽もないだろう。
でも、雪は降らない、ましてや暖炉などない日本の5月に焼酎を片手に聴くのだってそう悪くはない。
これらの曲、半分以上は初めて聴く曲だけど、まるで親密だった幼なじみに出会うような懐かしさがある。
「夜想曲」の分散和音は、シューマンの交響練習曲の遺作の最終曲を思い起こさせる。深夜にこな雪がしんしんと降っているような風情。
「ワルツ・スケルツォ」の、パーティの宵の口の華やかさ。
「ユモレスク」は、田舎の日曜日の愉快な舞踏会。
「ワルツ」の、知らない世界に向けた憧憬。
1曲1曲に、華麗さとせつなさが同居していて、少々胸が痛いのだ。
「ロマンス ヘ長調」の、誰はばかることのない甘さはどうだろう。
甘くてほろ苦い音楽の連続に、酒とともにいい心地に酔いしれる。
1983年、バイエルンでの録音。
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