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ライナーのウィンナ・ワルツ&ポルカ曲集

2007.02.07 - J・シュトラウス
ライナー

ライナー指揮シカゴ交響楽団/ウィンナ・ワルツ&ポルカ曲集


最近通勤時にipod shuffleを欠かせない。駅まで道のりと電車の中で聴くのである。これを使ってみて思ったのは、どこでも音楽を聴けるヨロコビに加え、周りの雑音が聞こえなくなるのがいいと思う。どこにいたって騒音の絶えない世の中であるからそれを遮断してくれるのはありがたい。
ホームでの駅員のアナウンスなんかはイヤホンを突き破って聞こえてくるのでどうしようもないが。
電車の中だと騒音が多くピアニッシモが聴こえなくなるので、なるべくダイナミックレンジの少ない曲を選ぶことが多くなる。バッハとかモーツァルトがよろしいようである。自動車の通りの少ない道をとぼとぼ歩くときは、あまり曲を選ばなくてすむ。後期ロマン派の音楽も充分に聴けるので、プッチーニのオペラやマーラーのシンフォニーもいける。
ipodになんの曲を入れようかと思案する時間は楽しいものだが、歩いている時間と電車時間のバランスを考慮すると少々やっかいなことになる。例えば徒歩が15分で電車が60分だとすれば、15分はなんでも良いが60分はバロックもしくは古典派を入れようということになって、これがなかなか迷ってしまうのだ。トラックの長さもそれぞれ違うし。だから途中で選択を放棄し、行き当たりばったりの選曲になることがほとんどである。

そうしていろいろと聴いたなかで、とてもよかったのが表題のCD。これは電車のなかでも充分に聴くことができる。
シュヴァルツコップが「無人島の1枚」に選んだことで有名になったこの盤だが、最初のうちはどこがいいのかよくわからなかった。何度も聴いているうちに、味わいを感じるようになった。
ウィンナ・ワルツとかポルカといえばウイーン・フィルのものが有名で、この曲集ほど地元意識が高いジャンルもないものだが、ここでのライナーとシカゴ饗の演奏はほのかにウイーンの情緒を感じさせつつも端正で折り目正しい演奏を実現している。なにしろシカゴ饗がうまい。うまさを感じさせない類のうまさである。実に自然。細かいところが透き通るように聴こえるし、リズム感もいい。

ipodの収録曲は大体2日ないし3日ごとに入れ替えているが、ここ1週間ずっと入れっぱなしなのが「雷鳴と電光」。今週だけで20回は聴いているが全然飽きない。何度聴いても色褪せない完成度の高さは、C・クライバー盤でも太刀打ちできないのじゃないかな。
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