豊島区民オペラのビゼー「カルメン」を観ました(2017年9月2日、東京、南大塚ホールにて)。
日本語による上演です。原語によるニュアンスの味にはかけるものの、字幕なしでほぼ理解できるところはやはり便利であり、捨てがたい魅力があると思います。
小柄で丸顔のカルメンはなかなか妖艶であり、ふてぶてしく、イメージに沿った役作りをしてくれました。声も低音部から中音域はよかったし、2幕以降は高音も安定していました。立ち居振る舞いも奔放で、とてもよかった。
ドンホセは若々しく、というか実際に若いのでしょうが、元気でストレートな声が聴きものでした。スタミナもあった。
ミカエラは、先週に聴いたヘレン・ドナートの歌唱があまりにも素晴らしく、色濃く印象に残っているため、ちょっと不利。でも、ああいったタイプではなく、成熟した女といった歌いぶりだったので、これはこれで一興でした。
エスカミーリョはやさ男。歌の線が細い。押しの強さよりも口先のうまさで勝負、といった感じ。
オーケストラの編成は、ヴァイオリン7名、ヴィオラ、チェロ各2名、他は管楽器、打楽器、ピアノの総勢25名。
とりわけチェロ、ホルン、クラリネット、フルート、ファゴットは安定しており、大いに唸りました。アマチュアのレベルを超えるもの。
指揮は引き締まっていて、歌手たちを手堅くサポートしていました。
全体を通して、満足のいく公演でした。
指揮:川井順一
管弦楽:オペラソリストの会オーケストラ
合唱:The練馬区オペラ合唱団
児童合唱:オペラソリストの会児童合唱団
カルメン:里まり
ドン・ホセ:佐藤圭
エスカミーリョ:津守玲央
ミカエラ:中原沙織
モラレス:今井隆
スニガ:藤田正朗
ダンカイロ:中川直哉
レメンダード:松原悠馬
フラスキータ:海老沼千尋
メルセデス:保永由香里
ピアニスト:川井彩子
稽古ピアニスト:鈴木理香、川上健太郎、河野真有美、小林規子
演出:今井伸昭
総監督:穂積磨矢子
パースのビッグムーン。
PR