二期会に所属する石原の、初リサイタルを聴く(2016年8月8日、ティアラこうとう、小ホールにて)。
ソプラノ:石原妙子
ピアノ:平塚洋子
彼女が最後のスピーチで語ったのは、この演目は自身の最も好きな楽曲だったということ。
前半はプッチーニのみ、後半はヴェルディのみという、ありそうで、実はあまり見かけないプログラミングだった。
だから、このふたりの作曲家の作風の違いを、如実に感じることができた。
プッチーニは、柔らかくて、曲線的。
花咲き乱れる恋の国を逍遥するような乙女。
ヴェルディは、硬質で、ストレート。
銀の床を持つ黄金の宮殿を警護している女帝のよう。
この印象は、もちろん、彼女の歌いぶりからの印象でもあると思う。
石原の声は、クリスタルで、とても綺麗、でもいざとなったら、思い切り豊満でグラマラス。
140席のホールでは、持て余すほどの声量。新国立劇場くらいが、ちょうどいいのじゃないかというくらい。フォルテッシモでは、ホールが揺れた。
でも、どんな大きな声でも、音程はバッチリ安定しており、それに加えてたっぷりとした情感もあった。
彼女は、大きな印象を残さずにいられない歌手。
また、聴きたい。
図書館。
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