河野真有美さんのコレペティトールによる、プッチーニの「蝶々夫人」ハイライト公演に足を運びました(2018年11月10日、原宿、ジャルダン・ド・ルセーヌにて)。
ディナー・コンサートは初めて。最初に飲み物、前菜、メインが配られ、お腹を満たしたあとに開演しました。
ピンカートンは、軽やかで透き通った声がとても素敵、軽薄な雰囲気もじわりと出ていました。欲を言うならば、もう少し奥行きのある歌声ならばさらによかったかと。
シャープレスは重厚、デッドと云える会場にふうわりと響きわたって見事だったと思います。
タイトル・ロールとスズキは、細やかさと音色の多彩さにおいて出色、とりわけ二重唱は素晴らしく、感動しました。
ピアノは終始、歌を堅牢に支えていた。デリケートなタッチはキラキラとした響きを醸し出し、ピーンと張りつめた音は昔に聴いたミケランジェリを思い起こしました。微細なテンポの収縮と強弱の塩梅は、歌手を巧い具合に引き立てていたと思います。
正味約80分。全体を通して満足のいくディナーコンサートでした。
来月は「ボエーム」をやるとのこと、こちらも楽しみです。
蝶々夫人:長瀬千賀子
ピンカートン:岡坂弘毅
シャープレス:高橋正尚
スズキ:吉村恵
ピアノ:河野真有美
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