山下一史指揮 新交響楽団の第242回演奏会に足を運びました(2018年8月4日、池袋、東京芸術劇場にて)。
グラズノフ:演奏会用ワルツ第1番
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲(ソロ 松山冴花)
チャイコフスキー:交響曲第4番
西欧に憧れた作曲家が書いたロシアの音楽、少々甘いけれども好きな演目なので楽しみにしていました。
グラズノフの曲はさして高尚なものではないでしょう。どちらかと云えば、通俗的な音楽であると感ぜられました。だからからか、琴線に触れたのかもしれない。涙が頬を伝わりました。
ヴァイオリンは、程よい厚みを基調としながら、時に羽毛のような軽やかさを伴って天空を舞いました。まったく危なげのない安定した弾きぶりで、聴き手からしたら、完璧と言っていいくらいの出来だったと思います。素晴らしいソリスト。
金管群は冒頭でやや綻びがあったものの、その後持ち直して最後まで吹ききりました。4番は往々にして打楽器と金管楽器の打ち上げ花火のような世界になりがちですが、この日は2楽章においてのファゴット、クラリネット、オーボエの切なくも毅然とした音色と、弦楽器による精緻で肉感的な響きが印象的に感じられました。
アマチュアのオーケストラの中で新交響楽団は一頭地を抜いていると思っています。持久力の強さにおいても、改めてその感を強くしました。
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