バッティストーニ指揮、東京フィル他の演奏で、ヴェルディの「レクイエム」を聴く(2016年2月18日、新宿文化センター大ホールにて)。
安藤赴美子(ソプラノ)
山下牧子(メゾソプラノ)
村上敏明(テノール)
妻屋秀和(バス)
新宿文化センター合唱団
バッティストーニの指揮は、勢い重視、いくぶん速いテンポでぐいぐい進む。テンポの細かな収縮を織り込むが、流れがいいのでいたって自然。
激しい場面は大胆に渾身の力で、穏やかなところは注意深く繊細に。
管弦楽は第1ヴァイオリン6プルトに対し、コントラバスは6名というスタイル、重心が高くなるのではと懸念したがそんなことはなく、チェロもコントラバスも朗々と鳴った。
大太鼓はトスカニーニばりの強さで叩かれた。快感。バッティストーニの雄たけびが2階席まで響き渡る。
この大曲をぐいと鷲掴みにし、なおかつディテイルをおろそかにしない演奏だった。素晴らしい。
ソプラノは透明感のある声に加え、情感がたっぷり。劇的な要素がふんだんに盛り込まれた名唱。
メゾも奥行きのある声を聴かせた。テノールは急遽の出演だったにも関わらず安定した歌唱を聴かせた。バスは重厚で輝かしい歌で存在感を見せつけた。
合唱はアマチュア中心の構成で、女声3に対して男声1くらいの割合。
「サンクトゥス」のフーガでは男声の歌が弱くて聴き取れなかった。ここは残念。ただ全体を通しては、熱気があり、演奏全体の核となっていた。
パースのビッグムーン。
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