昨日5月19日はコンサートのハシゴ。
ひとつめは、「山田 健 バリトンライブ」(押上びりーぶスタジオにて)。
野澤桂子(ピアノ)
森川伸子(ピアノ)
山田さんはけっこう重厚な声なのに、このカンツォーネはカラッと明るい。そして澄んでいてピンとしたハリがある。まだ行ったことのないナポリやヴェネツィアの、眩しいばかりの海や空に想いを馳せないわけにいかなかった。時間の都合で後半の沖縄の歌が聴けなかったのは至極残念。いつか聴かせていただこう。
それから、ピアノ連弾がよかった。音をひとつたりともないがしろにしない丁寧さ。でもそれは四角張ってはおらず、モチモチとした弾力のある生命力に溢れていた。なんともキュートで柔らか。パッヘルベルの「カノン」をピアノで聴く面白さを初めて実感しました。
打ち上げにも参加したかったなぁ。
次は「能楽大鼓&オペラの調べ」(THE GRAND GINZA JAPAN コンサートホールにて)。
鼓を聴いたのは初めて。まるでカスタネットを思わせるような、乾いて凛とした音。それにドスの利いた声が加わる。理屈抜きに心地よい。思わず体が動く。これはある種の弾き語り。能「石橋」の中の「獅子」がとりわけ素晴らしかった。
薮田作品の好きなところは、淡い水彩画のような風合いと歯切れの良さ。特に印象に残ったのは「風神雷神図」。両者が戯れる様を描いたと解説にありましたが、音が風に乗って浮遊している感覚。初夏のそよ風のようなインストルメンタルを艶やかに歌う瑞穂さんと、いくぶんトリッキーで細かなパッセージを、涼やかな清流のように奏でるピアニストの技量に酔いました。
河野さんは2日続けてのコンサート、しかもこの日は弾きにくいであろう電子ピアノでの演奏でした。でもそんなことに関係なく、最後の一音まで隙なく弾き抜いて見事。
大倉正之助(能楽)
薮田翔一(作曲)
薮田瑞穂(ソプラノ)
辰巳真理絵(ソプラノ)
小貫岩夫(テノール)
河野真有美(ピアノ)
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