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バレンボイムとBPOのヨーロッパ・コンサート

2006.09.19 - 演奏会(映像、音源)
BPO


このコンサート、どっかの山だか公園だかでやると思っていたが、場所はプラハのエステート劇場。
ちょっと考えると、野外でやるのはピクニックコンサートのほうであった。わっはっは。

それはおいといて。
バレンボイムとベルリン・フィルのコンビが送る怒涛のモーツァルト4連発である。
このコンビをテレビで観られるなんて久しぶりだったので、ビデオ録画してみた。中途半端な開始時間ではあったが、ワインをラッパ呑みしたかいがあって、キチンと時間通りに収録できた。
このエステート劇場というところ、どうみてもオペラハウスの様相であるが、舞台の向こう側にも3階立ての客席がある。これはなんなのだろう。コンサート用の隠し席なのだろうか?


1曲目の「ハフナー交響曲」から、ベルリン・フィルの威力をまざまざと見せつけてくれる。
弦とティンパニの押しがすごく強い。はっきり言って、押し付けがましいといえるが、アンサンブルがぴたり合っていて、ぐうの音もでない。弦楽パートは3プルトしかいないのに、どうしてこんなに威圧的な音がでるのだろう? 「これでもか」といわんばかりの圧力を感じる。
そんなオケがモーツァルトを演奏してどうなるのかと一瞬思ったが、
バレンボイムは快速なテンポでメリハリをきかせてゆくので、それなりに生き生きとしたモーツァルトを聴かせてくれた。やっぱり少し重いが。

次のピアノ協奏曲は大変な名演奏。バレンボイムのピアノはコロコロと丸い音を響かせて、軽快なさばきをみせている。CDで聴かせてくれる演奏に臨場感が加わってすごい盛り上がりである。
この22番はもともと彼の十八番。適切なテンポによる軽やかなピアノの推進力が際立つ。ここでもオケは大変元気。それに対抗するために、ピアノには蓋をしないことが必要だったのか。
ホルン協奏曲は、首席奏者のバボラクのソロによる。まったくソツがなく危なげのないホルン。
ゆったりとした音色が心地いい。全2楽章では物足りない。
「リンツ」もハフナーとおなじく一貫して快速テンポで押し通した演奏。これはまあ普通、いや普通に良かった。いや普通ではないか。これだけ圧倒的なパワーをもつオケが全力でぶつかってくる演奏なわけだから。迫力があるという以外の形容詞をみつけることができない。

バレンボイムを久々に見たけれど、相変わらず精力満点。衰えを微塵も感じさせない指揮ぶりである。





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