レヴァイン指揮、モシンスキーの演出、メトロポリタン歌劇場・他の演奏で、ヴェルディの「ナブッコ」を視聴しました(2001年4月、ニューヨーク、メトロポリタン歌劇場でのライヴ)。
「ナブッコ」はヴェルディにとって3作目にして初めて大成功を勝ち得た出世作として有名です。舞台は紀元前6世紀のバビロニアとエルサレムで、ふたつの国の諍いと和解を描いています。オペラのお話はみょうちくりんなものが多いですがこれもそうで、最後まで感情移入できずにいました。
での歌とオーケストラはいい。ヴェルディの若書きとは言え、というか若書きだからこその勢いを感じないわけにいきません。
とりわけ、アビガイッレを演じたグレギーナはよかった。声の艶、伸びのある息づかいは非の打ちどころがないし声量もたっぷり、激しい恨みと野心を持った女を力強く演じています。
ザッカリア役のレイミーもなかなか。エルサレムの苦悩を一身に背負ったような野太い声は、心に響きました。
ポンス、ホワイト、ジョーンズの面々はそつなくこなしていたとの印象。
レヴァインのオーケストラは好調。歯切れの良さは初冬の快晴の空の如く。瑞々しさも湛えていて、文句のつけどころがありません。
モシンスキーの演出は、豪華だけれどもオーソドックスなものだと感じました。
「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」は有名な合唱曲だし、この公演でもアンコールされているのだけど、そんなにピンとこないんだよな。好きな方からは顰蹙を買うかもしれないけれど。。
フアン・ポンス(バリトン:ナブッコ)
マリア・グレギーナ(ソプラノ:アビガイッレ)
ウェンディ・ホワイト(ソプラノ:フェネーナ)
グィン・ヒューズ・ジョーンズ(テノール:イズマエーレ)
サミュエル・レイミー(バス:ザッカリア)、他
メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団
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