ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル 79年東京ライヴ
今日は36度。実にジトジトと暑い。
部屋にこもっていると何もやる気が起こらない。かといって電気代がもったいないから一日中クーラーをつけるわけにはいかない。
身も心も滅入りそうなので、気晴らしに車で本屋へ。
数ヶ月前に買ったまま放りっぱなしだったシノーポリのウェーベルン曲集をおもむろに取り出す。
案の定、エンジンとタイヤの音で、弱音が全然聴こえない。
こういうときは窓を閉め切って、ダッシュボードに常備してある「ワルキューレの騎行」を大音量で鳴らすに限る。
爆演として知られる、79年の東京ライブ。
ムラヴィンスキーのこの曲の異演はいくつかあるようで、私が知る限りでも65年のモスクワ・ライブ(2種)があるから、けっこう頻繁に演奏していたのだろう。
この東京ライブは、モスクワでのものよりも速めのテンポでグイグイと推し進めてゆくが、とりわけトランペットとトロンボーンの骨太の響きが強烈で、モスクワ録音よりも迫力がある。
ラストは、怒涛のような音の洪水であり、マイク(というか、座席で録ったものらしい)に収まりきらず、混沌とした状態で終了する。
時間にしてわずか4分強であるが、燃え狂った音響世界が暴力的に展開されていて、堪能できる。
金玉のしびれる演奏である。
この音楽は、ヒトを狂わせる「毒」を孕んでいる。★音楽blogランキング!★にほんブログ村 クラシックブログ無料メルマガ『究極の娯楽 -古典音楽の毒と薬-』 読者登録フォーム
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