京極夏彦の「死ねばいいのに」を読む。
若い女性が自室で死んだ。事故なのか、自殺なのか、あるいは他殺なのかはまだ判明しておらず、警察も手を焼いている。
そんなとき、女性の男友達が探偵まがいのことを始める。女性と関係のあった人物に会いに行き、女性がどんな人だったかを探る。
一見、平凡なOLに見えた女性の過去や現在の謎がだんだんと解き明かされていく。
これは京極の、珍しい(?)現代モノ。
決して凝ったストーリーではないものの、刑事コロンボばりの主人公の青年はなかなか味がいい。どんどんと引き込まれる。
犯人探しの妙味よりは、彼の振る舞いそのものに魅力がある。感情移入しないわけにいかない。
一気呵成に読ませられた。
アンスネスの弾き振りで、モーツァルトのピアノ協奏曲20番を聴く。
先日に聴いた17番と同様、毅然としていてスマートなモーツァルトである。
アンスネスのピアノは適度に柔らかくて、透明感のある音。清冽。短く刈り込まれたノルウェー室内管はキレがいい。
1楽章のカデンツァはベートーヴェンだが、3楽章は初めて聴く。情熱的で起伏が大きい。このカデンツァ、素晴らしい。心を揺さぶられる。この部分だけでも聴く価値のある演奏である。ライナー・ノーツには記載されていない。誰のものなのだろう?
ご存じのかた、教えてください。
レイフ・オヴェ・アンスネス(ピアノ、指揮)
ノルウェー室内管弦楽団
2007年3月、オシオ、ジャー教会での録音。
牛の品評会。
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