「フィラデルフィア管弦楽団の首席奏者たち」から、ジョン・デ・ランシーのオーボエ、オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏で、モーツァルトのオーボエ協奏曲を聴きました(1961年12月、フィラデルフィア、ブロードウッド・ホテルでの録音)。
ランシーの存在は十年ほど前に、ブログ仲間から教わりました。彼は音楽のことのみならず博学の士。なかでも管楽器のことに関しての造詣は深く、いつも目から鱗なのです。吉田秀和の影響から、食わず嫌いだったフィラデルフィア管弦楽団の魅力を教えてくれもした。ありがたいことです。
さて、ランシーのオーボエはなんとも清冽。金細工のようにほっそりとしていて、このうえなく繊細な音色。フレーズによって、音の太さが微妙に変化するところなど実に面白い。また、3楽章における装飾音の鳴らし方は羽毛のように軽やか、まことに楽しい。
オーマンディのオーケストラは、気前よく大ぶり。たっぷりとした厚みがありながら響きが明るいので、重すぎず適度な重量感を保っていて聴きやすい。
とてもいい演奏だと思います。
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