ラヴェル 「ボレロ」、「逝ける王女のためのパヴァーヌ」、「道化師の朝の歌」、「ラ・ヴァルス」 ムソルグスキー 「展覧会の絵」 マゼール指揮 フィルハーモニア管
城山三郎の「官僚たちの夏」を読了。通産省で働くエリート官僚の成功と挫折を描いた話で、舞台は戦後復興期の真っ只中の日本である。それぞれ形は違うけれども、国家のために尽くそうとする人々が登場し、読むと元気が出てくる。私は公務員ではないが、サラリーをもらって働くということでは同じ立場であり、勤め人としての意気を感じさせてくれる本だ。
こうした気持ちを持続しながら働くことが望ましいのだと思うが、そのうち忘れ去ってしまうのだろうな…。
マゼールの「展覧会の絵」。彼はこの曲を3回(かな?)録音していて、これは最初のもの。
1962年だから、マゼールが32歳の頃だ。
演奏は、キビキビとしたテンポで切れ味が良い。各フレーズが短いので、少々寸詰まりのところもなくはないが、勢いがいいのでさほど気にならない。縦の線が鋭角的にキチッとあっているところがこの時代のマゼールらしい。
オーケストラのコンディションは最上。合奏もソロも艶やかに響いていて不満なし。この時代のフィルハーモニア管は、指揮者に恵まれたせいもあるのかもしれないけど、うまいしバランスが絶妙だ。
このオケ、この夏にインバルと来日してマーラーをやっていたのをテレビで観たけど、うまさに加えて、すごい豊満さがあった。精密さを犠牲にした反面、はちきれんばかりのパワーがあった。それは指揮者の裁量なのかもしれない。
ここでのマゼールは、オレ流にコントロールしきれているようだ。PR