小宮一慶の「ビジネスマンのための「人物力」養成講座」を読む。
街なかで見かける人を「見分ける」という章。
1.自動改札で、ICカードをたたきつけるようにして、通り抜けていないか?
2.電車に飛び乗ったら、入口周辺で立ち止まらないで、奥に進むか?
3.知らない人に道を聞かれることが多いか?
4.混んだ電車のなかを移動したり、席が空いたら、端に詰めて坐り直したりしていないか?
5.子供の目の前で、信号無視をして横断歩道を渡っていないか?
当たり前のことのようで、できていないことは多い。2なんかは、思わずやってしまう。あとから反省することもある。
これらは問答無用の作法である。それはわかる。
ただ、苛立っていたり気分が悪いときには、ついやってしまうことだってある。誰もが公共の場所で愉快なわけではない。
「ちょっとくらいいいじゃん」。
「まあ、しょうがないか」。
それを許容する器量も必要じゃないだろうか。
シノーポリの指揮でマーラーの交響曲8番を聴く。
シノーポリらしく、細部にこだわった演奏。他の演奏では聴こえない音が明確に浮かび上がるところが何か所もあって、面白い。
1楽章ではクラリネットのトリルが突出していて楽しいし、2楽章ではハープとチェレスタ、マンドリンの音がとても明敏に捉えられている。いくぶん固めの録音が、それを後押ししているのだろう。
この演奏の聴きどころは、2楽章の前半部分。精緻にして見通しが良い。ヴァイオリンの瑞々しい音を基調として、木管・金管群が安定した技を聴かせてくれる。この演奏において、フィルハーモニア管はわりとムラがある(激しい部分は、けっこう荒っぽい)のだが、この部分は冴えている。
歌手ではスチューダー。1楽章での澄み切った歌声がすばらしい。
法悦の教父は、クーベリック盤のディースカウがもう圧倒的なので、他の歌手は損をする。トーマス・アレンはふくよかな美声で臨むが、威厳はいまひとつか。
合唱はやや硬いものの、パンチ力はある。
ラストはティンパニの激しい楔が効果的なこともあり、劇的に収束する。
シェリル・ステューダー(ソプラノ)
アンジェラ・マリア・ブラーシ(ソプラノ)
スミ・ジョー(ソプラノ)
ヴァルトラウト・マイヤー(メゾ・ソプラノ)
永井和子(メゾ・ソプラノ)
キース・ルイス(テノール)
トーマス・アレン(バリトン)
ハンス・ゾーティン(バス)
サウスエンド少年合唱団
ジュゼッペ・シノーポリ指揮
フィルハーモニア管弦楽団&合唱団
1990年11,12月、ロンドン、オール・セインツ教会での録音。
キャサリンの家。
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