マゼール/マーラー交響曲第5番マーラーの第5は、1901年にヴェルターゼ湖畔で着手され、翌年に完成された曲。
湖畔…。
マーラーは当時著名な指揮者でもあったから、経済的な余裕があり、だから湖畔とか温泉とか海辺とかで作曲活動が行えたのであろう。
ところで、明治から昭和初期にかけてのわが国の小説家も、なにかあるたびに箱根や伊豆の温泉地に赴いて療養している。
作家というのは貧乏であるはずなのに(?)、何故あんなに温泉三昧ができるのか?
本当は金持ちだったのか、あるいは宿賃が思ったより安価なのだろうか?
「男はつらいよ」の寅さんもそうだ。
年がら年中旅をしていて、小汚くはあるがきちんとした宿に泊まって、毎晩晩酌をしている。
映画の中では寅さんはいつも金がない、という設定になっているはずだが…テキヤというのは儲かるものなのだろうか。
寅さんの泊まる部屋はいつも個室であるので、安くても3000円以上はかかると思われる。
それに3食+晩酌を約2000円から3000円に切り詰めるとすると、1日あたり大体5~6000円程度の収入があれば、このような生活はできそうだ。
寅さんが貯金なんかするはずがないし、税金や保険も払っていないだろうから。
さて湖畔で作曲された交響曲。
マゼールの演奏は、テンポを遅めに設定した、がっぷり四つの相撲。マゼール流の直球勝負である。
ティンパニ、ホルンを始めとしたウイーン・フィルの濃厚な響きがおいしい。
演奏は、マーラー芸術の折り返し地点ともいうべき第3楽章がいいと思う。マゼールのほのかなケレン味が私のストライク・ゾーンにぴったりはまってしまった。
他の楽章は、まあ淡々と流れてゆく。
難点をあげるとすれば第2楽章。編集のミスのせいなのか、音場が安定しておらず、聴いていると眩暈がしてくる。
これはマゼールのせいではない。★音楽blogランキング!★にほんブログ村 クラシックブログ無料メルマガ『究極の娯楽 -古典音楽の毒と薬-』 読者登録フォーム
メールアドレスを入力してボタンを押すと登録できます。
PR
その作曲家になったヒトは、幼い頃に通りがかりのお金持ちの目に適って、そのパトロンの援助でのし上がったのでは。こういうパターンは多いと聞いています。私もお金持ちと知り合えたならジンセイ変わっていたかもしれません。まだチャンスを伺っていますが(笑)
マゼールのマーラーは、3~5番を聴きました。確かに、マゼールらしからぬまともなものですね。なかでも第5は横綱相撲なので、少々驚きました。ウイーン・フィルの音をうまく引き出していますね。いつか「第九」を聴いてみないと。