フルトヴェングラー指揮バイロイト祝祭管弦楽団・他の演奏で、ベートーヴェンの交響曲9番を聴きました(1951年7月29日、バイロイト祝祭劇場でのライヴ録音)。
このディスク、EMIの録音で長らく聴いてきた「バイロイトの第九」が、本番と通し稽古とをミックスしたものであったという説を裏付けるものと評価されているみたい。つまり、当ディスクは7月29日の演奏を最も忠実に再現したディスクであると。
「バイロイトの第九」はEMI盤で満足していたせいもあるし、フルトヴェングラーの同曲同演異録談義には興味がないので、これまでの論争に関していささか覚めた眼で眺めていたけど、友人が興奮して勧めるので取り出してみました。
長い間合いのあと、2楽章に入ってパチパチノイズが大きくなるあたりは当時の録音機器の塩梅なのだろうか。それにしても、この楽章のティンパニは腹にずっしりと響く。
3楽章、ホルンはとろりと柔らかく、ピチカートは肌に突き刺さるよう。
終楽章のラストは例の怒涛のスピード。情報量が多く、ピッコロやシンバルが鮮明に聴こえる。そして最後の一音がずれていない!
全体的にダイナミックレンジが広いように感じます。フルトヴェングラーの本当の演奏を捉えきったものなのか。
気に入りました。
エリーザベト・シュヴァルツコップ(S)
エリーザベト・ヘンゲン(A)
ハンス・ホップ(T)
オットー・エーデルマン(B)
バイロイト祝祭合唱団
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