ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 ワルター指揮コロンビア交響楽団コーホー氏が2チャンネルで大人気なのは今さら言うまでもないが、それにしてもなぜこんなに下ネタなのか、わけがわからない。
宇野大先生
とはいえ、これはすべて宇野先生に対する愛情であると言えよう。
好々爺がいつくしむように語った「田園」である。というのは、録音当時ワルターが82歳であることを知って言うわけだ。けれども、先入観なしに聴いても、この演奏は実にひなびた味わいのある、のどかな音楽になっていることはわかるのじゃないかと思う。
第1楽章は、ほのぼのしているが、ところどころアタックがきつい。ワシは決して好々爺ではないぞよ、という箇所がいくつも散見される。
コロンビアの弦は相変わらず薄いが、表情は豊か。管楽器では、フルートはスカスカだが、ファゴットは軽快で楽しい。ワルターの「田園」を久しぶりに聴いてみると、第2楽章が意外に速いことに気付く。
そっけないが、流れがよい。目立たないところで弦が横着しているのは愛嬌だ。後半の、鳥のささやく箇所でのフルートはやはり今ひとつだ。
第3楽章はメリハリがよくきいていて、折り目正しい。
嵐の部分は、おとなしい。醒めているといってもいい。小雨がぱらついている風情であるが、キメは細かい。
終楽章は、主旋律を支える低弦のピチカートがすばらしい。実に楽しくて愉快であり、音楽を引き立てている。ここにきてワルターは強弱の変化を大きくつけてくるが、それがどれほど効果的なのかはよくわからない。
演奏がコロンビア饗とくると、どうもアラ探しばかりしてしまう。良い聴き方ではない。でも、これがニューヨーク・フィルだったらと思わないではいられないのだ(前にも書いたナ)。PR
無題 - rudolf2006
Re:rudolf2006さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
宇野さんの2チャンネルはすごいですね。
なぜ、こんなに下ネタなのか、理解に苦しみます。下品な中にときどき気のきいたギャグがまざっていて、不思議な感銘すら受けます(笑)。
ワルターの『田園』ですが、rudolf2006さんに言われると、うまいようにも聴こえますね。弦の編成が小さいことが、私の気に食わないのかもしれません。
この演奏では、オーボエとファゴットが、軽い味わいを出していて聞き物となっています。フルートは、いまひとつじゃないかと思いました。
>久しぶりに聴いているんですが、非常に色々なことをやっている演奏だと思います。
まったく、細かいニュアンスが絶妙です。80歳をすぎてこういうことができるのであれば歳をとるのも悪くないようです。
2008.01.12 00:14
無題 - mozart1889
Re:mozart1889さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
>「田園」はイイですね。
昔はそれほど好きではなかったのですが、ここ数年、とてもいいと思うようになりました。ベートーヴェンの交響曲の中では少し異色かもしれませんが、独特の聴き応えがありますね。
最近ではベーム盤を気に入っていますが、このワルターも実にユニークで面白い演奏だと思います。
2008.01.12 00:17
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