ベートーヴェン 交響曲第4番 ワルター指揮コロンビア交響楽団序奏部の低弦のピチカートに、存在感がある。朴訥でありながら、生気みなぎる濃厚さに満ちている。
ひとつひとつの音に重みがあり、聴いていて元気が出てくる音楽だ。
ワルターの指揮は、小さなフレーズにおいても確かな表情が味付けされていて、随所に山場がある感じ。こういう厚みのある音楽は、そう誰もが実現できるわけではない。ワルターを聴く楽しさがあると言える。評判高いクライバーの演奏よりも、こういうスタイルのほうがしっくりくる。
とはいえ、この演奏、良いところばかりじゃない。
コロンビア饗の弦は響きが薄いと言われるが、全く同感。薄いうえに響きがメタリックであり、それでいて光沢があるわけではなく、キンキンしていて耳障りなところを感じる。録音の按配や装置にもよるのかも知れないが。
それから個々の奏者の技量。オーボエはチャルメラのようであるし、フルートはスカスカだ。ホルンはいるんだかいないんだかわからない。
これがニューヨーク・フィルだったらと思わざるをえない。ワルターがやろうとしていることは実によさそうなのに、それが十全に生かされていないのがなんとも歯がゆい演奏である。
全部通して32分弱だが。反復を繰り返していないので、体感的にはゆっくり目のテンポで一貫している。PR
無題 - rudolf2006
Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
コロンビアの演奏ですが、確かにリマスタリングによって音質が相当ちがうようです。ブラームス1番やモーツァルト36番などは重厚な音がしましたが、この4番はやや薄いように思いました。
とはいえ拙宅の装置ではいかんともしがたいものがありますが(笑)。
コロンビア饗の管楽器はフランス系でしたか。確かに軽やかさを感じる音です。4楽章のファゴットは見事です。
コロンビアの他の演奏も聴きたくなりました。
2007.12.30 16:44
無題 - rudolf2006
Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
今年最後の記事をアップしました。
明日までは自宅でゴロゴロしています。
先ほど、街へCDを買いにいきました。
フランクのシンフォニーと、ディアベリ変奏曲です。正月にはちょっと重いですね^^
来年もよろしくお願いいたします。
2007.12.31 15:56
無題 - rudolf2006
Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
コロンビアのオーボエ、バスーンは、ロス・フィルですか。メータの前のロスフィルはほとんど知りませんが、アメリカのオケは上位十数位くらいまで(エリートイレブンなんて言葉がありましたね)優秀ですね。層の厚い国です。
コロンビア、次は田園を聴いてみます。
2007.12.31 15:58
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