ハンガリー弦楽四重奏団の演奏で、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲5番を聴きました(1953年11月、パリでの録音)。
この曲の1楽章の第1主題が昔から好きで、ときどき取り出します。
最初に聴いたのはスメタナ四重奏団によるもの。DENONのレコードで、一時期はやったPCM録音です。日本コロンビアがNHKの要請で開発した世界初のデジタル録音、というふれこみでした、確か。家の安価なステレオ装置でも音がいいと感じたのは、気のせいだったのかもしれませんが。
1楽章のくだんの箇所は、軽やかで、幸せな気分が横溢しています。テンポは中庸です。いたって自然であり、作為のようなものを感じません。
2楽章は、いくぶん速め。優しくて心地よい風に撫でられるかのよう。
3楽章の軽快なフーガは、じつに牧歌的。メンバーが楽しみながら、笑顔で演奏しているところが想像できます。
4楽章は速い。アレグロというよりは、限りなくプレストに近いような。ハンガリーSQは一糸乱れぬアンサンブルで、一気呵成に弾きあげています。痛快な演奏です。
ゾルターン・セーケイ(ヴァイオリン)
アレクサンドル・モシュコフスキ(ヴァイオリン)
デーネシュ・コロムサイ(ヴィオラ)
ヴィルモシュ・パロタイ(チェロ)
パースのビッグムーン。
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