ベートーヴェン 交響曲第5 ハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管昨日はシステムにトラブルが発生したため、スクランブル出勤。久しぶりである。
数時間で決着が着くかと思ったが、終わってみれば終電。
出勤された方はもちろん自宅待機で電話対応された方もご苦労様であるが、正月のなあなあ気分を吹き飛ばす一撃であった。
とはいえこれで明日の出勤が楽になるかといえばそういうわけでもなく、日曜日も午後を過ぎるとだんだん気が滅入ってくるのは変わらない。そこで、ベト様にもう一度気合を入れなおしてもらおう。
ハイティンクとコンセルトヘボウのベートーヴェン、これは86年の録音。
速いテンポでガシガシ突き進んでゆく、筋肉質かつ直線的な演奏。強風が吹き荒れている感じ。
これはそもそも曲がそういう性質のものだからだろう。弦も、木管も、けっこうな気合で突き進んでいるのに響きが丸く柔らかいのは、コンセルトヘボウの残響がたっぷりとしているからである。
この残響はたいへんおいしい。このホールで音楽を聴くことは、ささやかな幸福のひとつだ。
各奏者はうまいし、パートのバランスがきっちりしているところは、このコンビの良さである。
ところで、ハイティンクという指揮者、特に好きなわけではない。彼の音楽からは、いわゆる「驚き」を感じない。とてもまっとうで、信頼は置けるけれど面白みのない指揮者という印象がある。
そういう意味で、彼のシカゴ饗音楽監督の就任は、ちょっとがっかりだ。できればもっと鋭敏な指揮者がいい。例えば、レヴァイン。彼がシカゴを指揮する生演奏は聴いたことがないけれども、録音からだけでもそのクオリティの高さと相性の良さはわかる。「惑星」での問答無用の音の圧力は、いまだに鮮烈な記憶だ。
そんな彼ももうけっして若くはない。生きているうちに、ぜひシカゴで最後の花火をあげてほしいものだ。PR
無題 - rudolf2006
Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
ハイティンクの演奏は、よいものが少なくないですね。このベートーヴェンもなかなかでしたし、マーラーやブルックナーにもいいものがありました。ただ、コンセルトヘボウみたいな優秀なオケを普通に振れば、普通にいいものができるのじゃないかとも思います。
レヴァインは確かボストンだったような。ハイティンクと入れ替わればいいと思うんですけどねえ(笑)
2008.01.06 16:26
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