イストミンのピアノ、オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏で、ベートーヴェンのピアノ協奏曲5番「皇帝」を聴く。
「ユージン」コンビによるもの。
冒頭のカデンツァは自然なルバートをきかせていて、推進力たっぷり。その後はやや速めのテンポでもって、一気呵成に聴かせられる。
ピアノの音色は硬めでスッキリ。とてもよく粒だっており、あたかも採れたての真珠のよう。特に高い音が綺麗。クリアで伸びがいい。
1楽章の再現部以降は、左右の手がまるで別の生き物であるかのように、はっきりと分離していて、とても生き生きとしている。
オーマンディのオーケストラは万全。木管楽器の主張が大きくものをいっており、立体感をだしている。なかでもファゴット、オーボエ、フルートはとても明快な音を鳴らしている。これは名人の技。
全体を通して明るい色調のベートーヴェン。気に入った。
録音はモノラルだが、聴きやすい。
1958年1月、フィラデルフィア、ブロードウッド・ホテルでの録音。
花。
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