マゼール指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団・他の演奏で、プッチーニの「修道女アンジェリカ」を聴きました(1976年、ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホールでの録音)。
明日の二期会公演の予習です。
あらすじは以下の通り。
女子修道院で生活を送るアンジェリカには暗い過去があったが、同僚たちは知らない。ある日、彼女の伯母である公爵夫人が訪ねて来て、アンジェリカの妹が結婚することを告げ、彼女に遺産を与える書類に署名するよう伝える。アンジェリカは伯母に、7年前に未婚のまま産み落とした坊やがどうしているか訊ねたが、2年前に伝染病で死んだと聞く。絶望したアンジェリカは神に許しを乞いながら自殺を図るが、そのとき天使と共に赤子を抱いた聖母が現れ、アンジェリカは赤子に導かれ、息絶える。
修道院が舞台なので女声のみで歌われるわけですが、歌手それぞれが自然な持ち味を出しており、多彩な音色を楽しむことができます。
スコットは相変わらず艶やかな声、それが悲しみを纏うことによって高貴なまでに輝いている。コトルバスはいかにも無垢で可愛らしい。ホーンはたっぷりとした貫禄と冷酷さを備えており、思わず身震いしてしまった。
マゼールのオーケストラは、荘重にして緻密。踏みしめるようにゆっくりと盛り上げていき、ラストでアンジェリカが昇天するシーンでは、落涙しそうになりました。
バランスのとれたいい演奏だと思います。
レナータ・スコット(アンジェリカ)
マリリン・ホーン(公爵夫人)
イレアナ・コトルバス(ジェノヴィエッファ)、他
アンブロジアン・オペラ合唱団
PR