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"怒らない技術"、ルイージ、ブルックナー9番

2015.06.13 - ブルックナー

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嶋津良智の「怒らない技術」を読む。

怒りのほとんどは対人関係によるものだ。だから怒らない技術というのは、ひらたく言えば人に期待しなければいいだけの話。わかっているけれども、そこまでは非情になれないし、また人がどう考えているのかを確認するために本書を読んだ。

「出会いとは奇跡です。みなさんは約63億人いると言われている全世界の人と一人一秒ずつ会ったとして、全員と会うまでに何年かかるか知っていますか? じつは約200年もかかります。日本人だけに限っても約4年かかります」。

なるほど。少し納得。
本書を読み終えた直後、電車の待ち行列をババアに割り込まれ殺意を覚えた。
読書の納得とは、えてしてそういうもの。






ルイージ指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏で、ブルックナーの交響曲9番を聴く。ノヴァーク版による。

全曲を通して、さらさらと清流が流れるような演奏。それにドレスデンのこってりとした重量が相俟ってとても聴きやすいブルックナーだ。ごくたまに非常に細かい変化をつけている以外は、特段変わったことをしていない。

シューリヒトやマタチッチはもちろん、ジュリーニやカラヤンと比べても負けないくらいに洗練されている。指揮者は徹底して無表情。ライヴとはいえ二日間のツギハギであろうが、それにしてもアクがない。先日に聴いたナガノの演奏もそうだった。
とても立派な演奏なのだけど、なにかが物足りない。それはなんだろうか。シューリヒトやマタチッチのような剛腕? ジュリーニのようなスタイリッシュさ? あるいはカラヤンの豪奢さ?

などと文句をいいつつ、こういった演奏を生で聴いたら、感動するのだろうな。



2007年5月、ドレスデン、ゼンパーオパーでのライヴ録音。



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キングズパークの秋。





重版できました。




「ぶらあぼ」4月号に掲載されました!










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