クレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団の演奏で、ブルックナーの交響曲6番を聴く
(1964年11月、ロンドン、キングズウェイ・ホールでの録音)。
冒頭の、低弦によるテーマが重厚に鳴るかたわらで、左右のヴァイオリンが煌めく。ホルン、クラリネットはとても明瞭であり、もったいぶったところが微塵もない。終盤で奏される、ホルンとオーボエのソロが凛々しい。
アダージョも明快であり、もたれない。弦楽器による第2主題は淡々としたなかにほっこりとした愛らしさがあり、チャーミング。
スケルツォはゴツゴツとした手触り。野趣に富んでいて楽しい。トリオで、さりげなく5番交響曲のメロディーが顔を出す。
フィナーレは快速。ザクザクとした金管楽器と艶やかな弦楽器とが、上手い具合に調和を織りなしているよう。ラストはブラスの鮮やかな咆哮で締めくくられる。
全体を通して、滑舌がよくて、輪郭のはっきりした演奏。響きは明るい。
この演奏から、「ニュー」をつけて再出発したオーケストラとクレンペラーの熱い意気込みを、ひしひしと感じないわけにはいかない。
図書館。
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