ブルックナー 交響曲全集 カラヤン指揮ベルリン・フィルCDプレイヤーの調子が悪い。CDによって、トレースしないものがある。このあいだ買ったばかりのゼルキンのベートーヴェンとモントゥーのフランクが何度試しても聴けないので弱っている。もう20年近く使っているので寿命なのかもしれない。
聴くことのできるCDが、徐々に淘汰されつつあるのであった(>_<)
こういうモヤモヤしたときは、四管編成を聴くしかない。
四管といえば、ブルックナー。
カラヤンの7番を聴くのは、ずいぶん久しぶり。最初に聴いたのは、発売当初に図書館で借りて。
例の、羽根のデザインのジャケットのLPだったわけだ。
あの羽のジャケット、当時はなんて手抜きなのだろうと思った。出るたびに同じデザインで、違うのは色だけ。まったくヒトを馬鹿にしていると思ったものだ。けど今思えば、あれはまったくユニークであって、LPの大きなジャケットに映えるものだったのだ。
CDの大きさでは、ちょっと間抜けになってしまうかも。まったく懐かしい。
7番は、ブルックナーの交響曲のなかでも好きなもののひとつで、特に最初のふたつの楽章がいい。
ゆったりしていて明るくて、濃厚な味わいがたまらない。これを、いいオーケストラで聴くときの感触は、他の作曲家ではちょっと味わうことができない、独特の感触がある。
カラヤンの演奏は、こってり大甘。レガートをふんだんにかけていて、どの楽器も柔らかくゆったりと、これでもかというくらいに鳴りきっていて爽快感がある。痒いところに手が届くような感じというか。
第2楽章の頂点では、もちろん、シンバルとトライアングルがキッチリと登場する。これを聴いてカタルシスを感じないわけにはいかない。
こういう甘美な演奏を聴くと、ブルックナーはロマン派真っ只中のヒトであったことをあらためて知らされるし、カラヤンの美学のベクトルはブルックナーにかなり向いていたのではないかと思わされる。
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