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カラヤンのブルックナー「交響曲第7番」

2008.01.20 - ブルックナー

karajan

ブルックナー 交響曲全集 カラヤン指揮ベルリン・フィル


CDプレイヤーの調子が悪い。CDによって、トレースしないものがある。このあいだ買ったばかりのゼルキンのベートーヴェンとモントゥーのフランクが何度試しても聴けないので弱っている。もう20年近く使っているので寿命なのかもしれない。
聴くことのできるCDが、徐々に淘汰されつつあるのであった(>_<)
こういうモヤモヤしたときは、四管編成を聴くしかない。

四管といえば、ブルックナー。
カラヤンの7番を聴くのは、ずいぶん久しぶり。最初に聴いたのは、発売当初に図書館で借りて。
例の、羽根のデザインのジャケットのLPだったわけだ。
あの羽のジャケット、当時はなんて手抜きなのだろうと思った。出るたびに同じデザインで、違うのは色だけ。まったくヒトを馬鹿にしていると思ったものだ。けど今思えば、あれはまったくユニークであって、LPの大きなジャケットに映えるものだったのだ。
CDの大きさでは、ちょっと間抜けになってしまうかも。まったく懐かしい。

7番は、ブルックナーの交響曲のなかでも好きなもののひとつで、特に最初のふたつの楽章がいい。
ゆったりしていて明るくて、濃厚な味わいがたまらない。これを、いいオーケストラで聴くときの感触は、他の作曲家ではちょっと味わうことができない、独特の感触がある。
カラヤンの演奏は、こってり大甘。レガートをふんだんにかけていて、どの楽器も柔らかくゆったりと、これでもかというくらいに鳴りきっていて爽快感がある。痒いところに手が届くような感じというか。
第2楽章の頂点では、もちろん、シンバルとトライアングルがキッチリと登場する。これを聴いてカタルシスを感じないわけにはいかない。
こういう甘美な演奏を聴くと、ブルックナーはロマン派真っ只中のヒトであったことをあらためて知らされるし、カラヤンの美学のベクトルはブルックナーにかなり向いていたのではないかと思わされる。

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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま こんばんは

私のブルックナー経験の最初がカラヤン盤でした。
この全集よりも先に録音されているDGの9番でした。中学生の頃で、スコアまで買ったのを覚えています。その後はEMIの4番、7番のLPです。
最近になって、このDGの全曲盤も買いました。

ブルックナーって、私は上手いオケストラ聴いた方が、圧倒的に面白いと思うんですよ。意外にも、非常に複雑なことを書いていますので、上手い団体でないと、どうも、表面をなぞっているだけの演奏になりがちかなって思ったりも。
カラヤンのブルックナー、私は他の曲よりも良いように思うんですが~
ブルオタは、どう仰るかは、私には分かりません、爆~。

ミ(`w´)彡 
2008.01.20 Sun 17:59 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

私のブルックナー経験は、ほぼこのカラヤンのDG盤でした。といっても、7番と8番だけなのですが。
今聴いてみると、技術的な面でも面白さでも、これは際立った演奏であることを確信しました。
いま同じ全集の4番を聴きながらこれを書いていますが、これも鮮やかな演奏です。

>ブルックナーって、私は上手いオケストラ聴いた方が、圧倒的に面白いと思うんですよ。

同感です。日本のオーケストラでブルックナーに接して、金管楽器がやたらとトチるのをいやというほど聴いてきました。ベルリン・フィルとカラヤンはそういう基本的なところでも申し分ないと感じます。
2008.01.20 21:52

無題 - bitoku

吉田さん、こんばんは。

これは70年代のBPOとの録音ですね。
私は80年代後半のカラヤン&VPOとの録音が好きです。

>カラヤンの美学のベクトルはブルックナーにかなり向いていたのではないかと思わされる。

カラヤンのブルックナーは素朴さはなく、ゴージャスですよね。
でも音の分厚さなどはカラヤンファンには堪えられないですね。

カラヤンにしては意外にブルックナー録音が少ないですね。
そういえばVPOとの7番はカラヤン最後の録音でした。

今年はカラヤン生誕100年なので色々なCDが出るんではないかと期待しています。
2008.01.21 Mon 21:23 URL [ Edit ]

Re:bitokuさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

70年代のBPOとの録音です。晩年のVPOとの演奏は、8番は聴きましたが7番はまだ聴いていません。8番もかなりの演奏でした。
とはいえ、BPOとのブルックナーもすごいですね。
パワーではもう圧倒的にBPOです。

おっしゃるとおり、こんなにゴージャスなブルックナーもないものですね。私は特にカラヤンファンというわけではないのですが、彼のブルックナーは気に入っています。
ブルックナーの演奏のなかで好きなものの最右翼です。
2008.01.22 12:41
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