ブルックナー 交響曲全集 カラヤン指揮ベルリン・フィル今日は親戚の法事に出席するため、東池袋の雑司が谷霊園へ。
午前中から暖かかったせいか、雪は意外と残っていなくて、交通も徒歩の影響もなかった。
食事はサンシャインにある「伊豆栄」。鰻割烹で有名な店の出店らしい。
鰻を久々に食べたが、うまかった。たまにスーパーで買う鰻は、タレが例外なく甘ったるいのがいやである。かといって店では高いからあまり食べない。
鰻には白焼きもあるにはあるけれど、日本での定番は蒲焼ということになる。これほど、レパートリーの狭い食材もないものだけど、それがウナギの偉いところだ。
第6交響曲は、1879年から1881年にかけて作曲された。ブルックナーが50歳代半ばの時期になる。
ブルックナーにしては珍しいことに版の問題が少なく、実際ハース版とノヴァーク版との違いはあまりないらしい。作曲者はもとより、関係する音楽家や音楽学者が異論を唱える余地がなかったか、もしくはたいした興味を示さなかったか。この曲の完成度を考えると、前者であろうと思う。
山脈のようにゴツイ5番と、大河のようにとうとうと流れる7番の間に挟まれているせいもあって、いくぶん小ぶりなこの曲は、地味な印象がある。
そういうこともあって、これまであまり聴いてこなかったのは、私の痛い偏見であった。
第1楽章のゴツゴツとした出だしから、心をわし掴みにされる。このリズムとメロディーが、全曲の印象を決定付けている感じだ。ブルックナーにしては、速くて小回りのきいた音楽。
この楽章では、金管楽器の咆哮もすごい。これでもかというくらいよく鳴っていて、爽快。ベルリン・フィルのパワーは、アイドリングなしでのっけから炸裂している。
第2楽章アダージョの美しさは、7番や8番にもひけをとらないかも知れない。弦楽器、オーボエをはじめとした透明感のある荘厳な響きは、深刻すぎずしつこすぎず、感動的に流れゆく。弦の分厚くもすがすがしい響きが心地よい。
第3楽章は、最初の楽章を思わせるような、性急なリズムとややトリッキーなメロディーがめまぐるしい音楽で、ほうぼうで火が吹いているように忙しい。
終楽章は、短いフレーズを丁寧に繋いで、いかにも最後の曲だというような、大団円をいくつも構築してゆく。そのたびに感じるカタルシスは少なくない。
カラヤンの全集、これで2,4,6,7,8,9番と聴いたけれど、ムラが少ない。
どれも流麗にして豪華。カラヤンのブルックナーを知るという意味では、どれか1曲だけ聴けばよい、ともいえるほど、徹底したカラヤン流を貫いている。
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