レーゼルのピアノ、ブラームス弦楽四重奏団の演奏で、ブラームスのピアノ五重奏曲を聴く(1972年、ブルネン、シュトラーセ・スタジオでの録音)。
雨の日曜日になんとなくふさわしい曲。
これは、精緻でありかつ、静かにメラメラと燃えるような演奏。
この曲は1862年ころに作曲されたので、ブラームス20代の作品となる。だが、そんな若書きとは思えないくらいに、渋い。暗い情熱と行き場のない鬱屈が渦巻いているよう。特に1楽章。2楽章からは、色調は比較的明るくなる。3楽章のスケルツォは壁を突き抜けたような、輝かしい青春の歌。
レーゼルは、いつものように端正なピアノ。音色に透明感があり、瑞々しい。
ブラームス四重奏団はたぶん初めて聴くけれど、アンサンブルはキッチリしているし、各奏者の技量は高い。温かみのある木目調のような音を奏でる。
とてもいい演奏だと思う。
ハインツ・シェンク(ヴァイオリン1)
ホルスト・ビティシュ(ヴァイオリン2)
マンフレード・シューマン(ヴィオラ)
ペーター・ツィンマーマン(チェロ)
パースのビッグムーン。
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