ブラームス/ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 ミルシテイン(Vn) フィストラーリ指揮フィルハーモニア管、他将棋NHK杯、羽生二冠対中川七段。終盤、明らかに敗勢だった羽生がすごい粘りをみせて、最後は解説者の加藤一二三に「NHK杯の歴史の中でも最大の逆転劇」と言わしめる対局だった。
たしかに、見事な逆転だったと思うけど、この対局で一番面白かったのは、加藤だった。
解説とは違う手が飛び出して局面が怪しくなったとき、「あれ。あれ。あれれれれれれ」と、テレビ放送とは思えない素の発言が飛び出すあたり彼らしい。面白さ健在である。
かつて、彼が中学生でプロ棋士になったときは「神武以来の天才」といわれたそうだが、今はお笑いのA級だ。
最近は、本職の将棋ではパッとしないけれど、お笑いでも食ってゆけるのじゃないだろうか。ひそかに期待したい。
そんな感じで、午前中はバラエティー番組と将棋でテレビ三昧、午後もだらだらと本を読みながら音楽を聴いて過ごした。
ミルシテインのブラームス。これは1960年の録音。ミルシテインといえば、晩年のヨッフムとの盤が有名であるし優れた演奏だが、今日はフィストラーリとの演奏を聴いた。
基本的には、ヨッフム盤と変わらない。細い研ぎ澄まされた美音はここでも勿論堪能することができる。
ただ、こちらのほうは、いくぶん生真面目さを感じる。どちらかといえば遊びのないヴァイオリンだ。楽器を綺麗に響かせることに余念のない弾きぶりであり、フィストラーリの伴奏もソツがない。全体的に音が軽やかで、重厚なブラームスを期待すると、ちょっと不満があるかもしれない。
とはいえ、ミルシテインはミルシテイン。切れ味のいい美音は、聴いていて爽快だ。解釈以前に、美しく磨かれた音の響き、これがヴァイオリン音楽を聴く醍醐味だと思う。PR
無題 - しじみ
Re:しじみさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
>先日、検定試験がやっと終わり、再び音楽モードに戻るわよと、聴き始めたCDが偶然にもブラームスのヴァイオリン・コンチェルトでした。
検定試験が終わってひとまず安心ですね。試験まで音楽を絶っていたのがスゴイ。私も9月に試験があったのですが、音楽は聴くわ酒は飲むわで、まったく普段通りの生活を貫き通した結果として、撃沈が予想されます。
しじみさんの聴いたヴァイオリニストは誰でしょうかねえ?
楽しみにしております^^
2007.10.15 18:33
無題 - rudolf2006
Re:rudolf2006さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
加藤一二三、今はB級2組にいます。最近はNHK杯でもあまり見かけませんが、解説者として活躍しているようです。毎週彼の解説だったらいいのにと思いますねえ。最近、棋士で初めて「1000敗」を記録したそうです。これはスゴイ数字です。
ミルシテテインのブラームス、最後の録音であるヨッフム盤はソロ、オケともども痺れるような切れ味ですが、フィストラーリとの演奏は、いくぶん落ちついた演奏だと思いました。
「美しく磨かれた音」、確かにそうですね。フランチェスカッティと双璧、同感です。しかも彼らは美音だけではないですね。
2007.10.17 22:26
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