マゼール指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏で、ブラームスの交響曲2番を聴く。
これは折り目正しく端正なブラームス。それでいて、パンチが効いている。マゼールのクリーヴランド時代のスタイルが、曲にマッチした。
1楽章の冒頭からカラッとしている。チェロとコントラバスを強調すると全体のトーンが暗くなりがちだが、ぐっと抑えているので色彩は明るめ。その後は、要所で低弦をクッキリと鳴らせ、立体感を作り上げている。チェロの第2主題に乗って、フルートとオーボエが溶け合うところは実に美しい。
2楽章も佇まいが端正。筋肉質なチェロの合奏、憂愁を帯びたホルンとのコントラストがいい。ヴァイオリンがふっとみせるポルタメントは味わい深い。
3楽章は快活。オーボエもフルートもホルンも美しい。ホルンは、マイロン・ブルームだろうか。スプーンひと匙の哀しみが注がれている。速いところは、弦がサクサク。
4楽章は勢いがいい。ところどころに炸裂するティンパニの楔が全体を締めている。ラストではトロンボーンとチューバがここぞとばかりに咆哮、粘りに粘ってフィナーレを飾る。
これは、ジュリーニ/ロサンゼルス・フィル、C・クライバー/ウイーン・フィル、オーマンディ/フィラデルフィア管と並んで好きな演奏だ。
1976年10月、クリーヴランド、メイソニック・オーディトリアムでの録音。
ヨットから2。
「ぶらあぼ」4月号に掲載されました!PR