カッチェンのピアノで、ブラームスの4つの小品作品119を聴く。
カッチェンの硬質で明晰な音色が、ブラームスの夜の音楽を照らす。石畳みが街灯でうっすらと光るように。
1曲目はアダージョ。夜が深い。都会の、冷えたアスファルトの匂い。ほろ酔い気分。
2曲目はアンダンティーノ。酔いが回って感情がゆり動く。中間部は甘い夢に想いを馳せる。
3曲目はグラティオーソ。子供時代の楽しい思い出がはじける。
4曲目はアレグロ。泥酔。あらぬことを考える。それは、勇壮で激しいものであったり、メランコリックであったり、あるいはエロティックであったり。
あとは、水を飲んで寝る。
1962年-65年、ロンドン、デッカ第3スタジオでの録音。
クッキー。
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