究極の娯楽 -古典音楽の毒と薬-
音楽と本について格調低く語る
セルのバルトーク「管弦楽のための協奏曲」
2006.09.25
-
バルトーク
日暮里駅の陸橋から。
東北・上越方面の新幹線を含めたJRと、京成電車を眺めることのできる、ナイスなポジション。
秋になると、鼻のなかがむずむずする。
先ほどは、鼻クソが鼻腔に微妙に触れてくしゃみが5回連続で発生、ハタ迷惑である。
鼻くそが 固まりくしゃみ 彼岸あと
大変おそまつ。
セルのバルトークは、華やかな色彩感を前面に押し出した演奏ではなく、絵でいえば墨で描かれた日本画のような味わいがある。ひとことで言えば、シブイ。
オケはうまいものだが、それはドラティ盤やショルティ盤のようにふくらみをもたせたものではなく、軽量級ボクサーの世界ランカーのような筋肉質なものだ。無駄な贅肉はこそぎ落として、極めてスリムに整っている。
このバルトークの音楽は、多分にユーモア感を醸し出しているがゆえに、ハンガリーの民族的な色合いが強いのだが、セルの引き締まったフォルムからはそれらの要素は薄められ、まるでハイドンやモーツァルトのような古典的な味わいを感じ取ることができる。
音楽を引き締めることに情熱を燃やしたせいかわからないが、第5楽章の後半に大幅なカットがある。
私がバルトークのこの曲に親しんだのがこの演奏だったから、あとから他の指揮者のものを聴いて、この後半部分が逆に違和感があったものだ。
フルトヴェングラーのバイロイト現象とでも言うべきか?
セル・CO/バルトーク管弦楽のための協奏曲
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