チャイコフスキー 交響曲第3番「ポーランド」 マルケヴィッチ指揮ロンドン交響楽団高田純次の「適当教典」を読了。一般人の質問に高田が答える、悩み相談の本である。ひとつ抜き出してみる。
Q.ばあさんのほかにも好きな人ができてしまった。告白すべきか悩んでいる。高田、どうすればいい? (70歳無職)
A.おじいちゃんは70歳か。じゃ、生きてあと10年だな。でも相手に告白したら、それだけでもう5年は長生きできるかもしれないよ。とりあえず長生きしたいなら告白しようよ! とっておきのバイアグラ1錠あげるから。
テキトーで、無責任なところがいい。悩み相談は笑い飛ばすものなのであるな。
チャイコフスキーの交響曲3番は、ポーランドなんていう副題がついているけど、彼の交響曲のなかでは一番地味だ。副題のついていない4番や5番のほうがずっと健闘している。
改めて考えてみると、チャイコフスキーの交響曲には副題のついているものの割合が高い。マンフレッドを含めれば実に7分の5という多さだ。
これは確率でいえばハイドンよりも多いのじゃないだろうか。
それに対し、ほぼ同時代のブラームスの交響曲は、ひとつも副題がついていないのにも関わらず、みんながんばっている。けなげである。
それにしてもこのポーランド、退屈感は否めない。
この曲5楽章からなるが、単一楽章だけでもいいくらいだ。全編が甘くて優柔不断メロディーとしつこい打楽器の連打からなるといってもいい。大作曲家の手による作品とはとても思えない出来とも思える。
でも、捨てがたい。
広大なロシアの大地を思わせる雰囲気は色濃く滲み出ているし、オーケストレーションなど技量は聴き応えがある。
できの悪い子供ほどかわいいというが、これもそうかもしれない。
マルケヴィッチの指揮からは、作曲者への愛情迸るもので、甘いところは甘く、鳴らせるところはガツンと鳴らせた、曖昧さのないものだ。
全集でなければ演奏しない? …ま、いいのである。PR
無題 - rudolf2006
Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
高田純次の人生相談、笑えました。
まったくもっていい加減なのですが、たまにマジメに答えているふしがあって、そこに痺れます。やられました。
チャイコの3番は、ようやく最近になって聴き始めました。1番や2番は昔からよく聴いているのですが…。マルケヴィッチで聴くと、この曲にもいいところはありますね(あたりまえか)。
マルケヴィッチはバリバリオケを鳴らせていて爽快です。なんというか溜飲が下がる演奏というか。
残る課題は「マンフレッド」です。
2007.10.23 06:43
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