ドラティ指揮デトロイト交響楽団の演奏で、ストラヴィンスキーの「火の鳥」(1910年全曲版)を再び聴きました(1982年10月、デトロイト、ユナイテッド・アーティスツ・オーディトリアムでの録音)。
この演奏、発売当初にLPを購入し、それ以来たまに聴いていました。遅まきながら、この度CDで買い直し改めて聴いていますが、演奏のクオリティの高さは健在です。当たり前ですね。録音も透明度が高い。
デトロイト交響楽団は今年スラットキンと来日して鮮やかな演奏を聴かせたそうですね。シカゴ交響楽団やフィラデルフィア管弦楽団のような艶はないものの、技術の高さと覇気に満ちた演奏はかけがいのないもの。1980年代前半にドラティと録音したいくつかの音楽は、長く後世に残したいものだと思います。
ドラティの指揮は、スケールが大きい。それでいて、ディテイルの描き方も丁寧。これは、「ペトルーシカ」と「春の祭典」も同様です。乱暴に云ってしまえば、ブーレーズの緻密さとモントゥーの鷹揚さを併せ持ったストラヴィンスキーではないかと。
ドラティの生演奏は、読売日本交響楽団とのものを聴くことができたけれど、デトロイトとの演奏も聴きたかったな。
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