忍者ブログ

"国のない男"、コルトー、ショパン"葬送"

2018.08.19 - ショパン

カート・ヴォネガット(金原瑞人訳)による「国のない男」を読みました。


「善が悪に勝てないこともない。ただ、そのためには天使がマフィアなみに組織化される必要がある」。


これは、20世紀後半を代表するSF作家による遺作となったエッセイ。当時のブッシュ政権や堕落する企業・メディア・宗教団体を痛烈に批判する。
そうはいっても、人間を信じたい。また信じられる存在であることを希求する。
彼は言う「人にやさしくしろ」。簡単なようで簡単なことではないけれど、畢竟、これが世界を明るく照らすための秘訣なのかもしれません。







コルトーのピアノで、ショパンのピアノ・ソナタ2番を聴きました(1933年の録音)。


コルトーはわりと好きなピアニスト。シューマンやショパンをときどき取り出します。現代のスーパーなピアノ弾きと比べたらテクニックはだいぶ怪しいけれど、それを補って余りある味わいがあるように思います。

この録音、年代を考慮すると音がいい。自然な残響が取り入れられているし、透明感すらある。観賞には申し分ない。
コルトーも好調。遅い部分は大鐘のようにどっしりとタメをきかせ、速いところは隼のように空気を斬りさいています。微妙に変化するテンポとスピードにわざとらしさはなく、上等なシャンパンのような芳香が立ち上っています。
また、ここではテクニックの不備はあまり散見されません。
いい演奏だと思います。

















PR
   Comment(0)    ▲ENTRY-TOP

Comment

コメントタイトル:
投稿者名:
Mail:
URL:
投稿内容:
Password: ※1
Secret: 管理者にだけ表示を許可する※2
※1 パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。
※2 チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
4 5 6 7 8 9
11 12 13 14 15 16
18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
最新TB
カテゴリー