ルドルフ・ゼルキンのピアノで、シューベルトのピアノ・ソナタ20番を再び聴きました(1966年2月、ニューヨーク、コロンビア30番街スタジオでの録音)。
とても滑舌のいいピアノ。そして音色は、水晶の輝きを想起させます。
1楽章は極めて快活。アルペジオは歯切れがよく、寝惚けた頭が生き返るみたい。
2楽章は清澄な佇まい。ゼルキンはシューベルトの深淵の世界に深く斬り込み、その暗部を白日の下にさらけ出しているかのようです。前に、前に。
3,4楽章は、明るいトーンが曲にすんなり馴染んでいて、健康的。シューベルトが晩年にこんな音楽を作ったのかと思うと、泣けます。
このディスク、先週から毎晩聴いていますが、まったく飽きません。素晴らしいピアノです。
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