シベリウス ヴァイオリン協奏曲 ハーン(Vn) サロネン指揮 スウェーデン放送響奥田英朗の「町長選挙」を読む。
これは、伊豆のとある島で行われる、贈収賄がまかり通る熾烈な選挙運動に、都から出向してきた若者の役人が巻き込まれる話。
神経科の伊良部医師シリーズのなかの一編。
この小説な以前テレビドラマ化されていて、それはたまに観ていたけど、小説を読むのは初めて。
伊良部その人の外見のイメージがドラマは全然違うが、性格はドラマがよく似せている。金持ちのボンボンでテキトーなのな診察が笑えるが、ここぞというときに核心を突いた指摘を放つ。
気楽に読めるところがいい。
ヒラリー・ハーンの演奏でシベリウスのヴァイオリン協奏曲を聴く。
冒頭からピーンと張った絹糸のようなヴァイオリンが鮮烈。強いて言えば音は細めで、それが北国フィンランドに思いを馳せさせてくれる。緊張感が強い。
1楽章のラストは大変パワフルであり聴こえてくる音が多く、興奮せざるを得ない。
2楽章は落ち着いた雰囲気のなかに、冷たい情熱が燃えているようだ。
終楽章も多彩な弾きっぷり。躍動感に溢れた、濃密な時間を与えてくれる。
ハーンのヴァイオリン、技巧も、音色も、歌いまわしも文句のつけようがない。
サロネンのオケは雄弁でありつつ、細やかにヴァイオリンをサポートしている。ひとつひとつの音に意味があるかのような気にさせられるほど巧みだ。
2007年5月、ストックホルムでの録音。
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