錦糸町楽天地シネマズで片渕須直監督の「この世界の片隅に」を観る。
原作は知らないのだが、戦前戦中の広島を舞台にしたドラマときいて、これを観たらきっと泣くだろうなと思った。どうしても「はだしのゲン」を思い出すのだ。
もっとも、この作品は絵が水彩画のようにホンワカしているから、あんなに苛烈ではない。アプローチが違う。でも、絵が綺麗なぶん、その反動でやられる。
登場人物みんなが、ほのぼのしていて素晴らしい。ことのほか、主人公すずの義姉のツンデレはステキ。
ヴァンスカ指揮ラハティ交響楽団の演奏で、シベリウスの交響曲1番を聴く(1996年10月、フィンランド、ラハティ、クロス教会での録音)。
普段シベリウスをあまり好んで聴くことはないのだけど、FBの先輩からヴァンスカのCDをお借りしたので、聴いてみる。
峻厳にして鮮烈な演奏。
全体的にテンポは速め、サクサク、というよりは疾走している感じ。1楽章の第1主題をこんな速度で飛ばす演奏は初めて聴いた。面食らったが、慣れるとじつに爽快であり、これしかないというテンポ。
弦楽器は適度な水分を湛えながらプルプル潤っていて、かたや金管楽器は硬めの音色で空気を切り裂く。
2楽章は憂愁に満ちたメロディーを、メランコリックになりすぎない程度に、硬めのアルデンテで仕上げる。
3楽章は激しい。金管は咆哮し、ヴァイオリンが軋む。そして快速でぶっ叩かれるティンパニは快感。
4楽章はゆっくりな出だしはひんやりとした手触り。やがて速度を上げ熱くなる。この熱気はあたかも青白い炎のよう。
ラハティ交響楽団は、いかにも手慣れた演奏。とくに弦楽器は精緻。
あと、録音がとてもいい。
パースのビッグムーン。
PR