ヴァンスカ指揮ラハティ交響楽団の演奏で、シベリウスの交響曲3番を聴く(1997年1月、フィンランド、ラハティ、クロス教会での録音)。
この3番は、シベリウスのひとつの転換期の作品と云われているらしい。後期ロマン派の影響を脱して、後期の深みに移行しつつある、と。
確かに、1番や2番のように口あたりのよい親密な音楽でもないし、6番のように晦渋でもない。リズミカルなメロディーはトリッキーでもあり、斬新な味わいがある。
ヴァンスカの演奏は、質実にして剛健。甘さはかなり控えめ、ひんやりとした響きを惜しむことなく解き放ち、峻厳な音楽を作っている。
ピアニシモとフォルテシモのダイナミックレンジを広くとっているため、音楽は小さくない抑揚をもつ。ラストはホルンの咆哮をのろしに、大きく高揚する。
ラハティ交響楽団は、緻密な弦楽器を軸に、俊敏な木管楽器、野趣溢れる金管楽器、野太いティンパニがそれぞれ存在感を見せつける。
パースのビッグムーン。
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