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ナッシュ・アンサンブル、サン=サーンス"七重奏曲"

2016.03.02 - サン=サーンス

ma
 


ロンドン・ナッシュ・アンサンブルの演奏で、サン=サーンスの「七重奏曲」を聴く。

弦五部とピアノにトランペットを加えた編成は珍しく、他に知らない。この曲を委嘱したルモワーヌが、トランペットを含む室内楽という要望を出したそう。

曲は4楽章からなり、どの楽章もトランペットの活躍が目立たないわけにいかない。ピアノが主導し、弦楽器が基盤を支えるが、トランペットの出番になると、どうしても引き立つのである。「トランペット七重奏曲」と呼んだほうがとおりがいいような気もする。

吉田秀和はサン=サーンスのことを「通俗的」と言って蔑んでいた。通俗的のなにが悪いのか? という議論もあるのだが、サン=サーンスの室内楽はそれを超えていい。メロディーはわかりやすく適度に甘いし、各楽器の立ち回り方もうまいし、構成力も高い。彼はこの分野に大量の作品を残したそうだから、これから積極的に聴きたい。

ナッシュ・アンサンブルは1964年に結成された室内楽アンサンブルで、フルートのベネットやチェロのカンペンらが参加している。この演奏は、そのなかの選抜メンバー。テクニックに不満なし。


マーシャ・クレイフォード(ヴァイオリン)
ジェレミー・ウィリアムス(ヴァイオリン)
ロジャー・チェース(ヴィオラ)
クリストファー・ファン・カンペン(チェロ)
ロドニー・スラットフォード(コントラバス)
イアン・ブラウン(ピアノ)
ポール・アーチバルド(トランペット)


1988年、ピーターシャム、オール・セインツ教会での録音。





ma
 
昼下がり。









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Comment

洒落た曲ですよね - 木曽のあばら屋

こんにちは。
サン=サーンス好きの私は吉田秀和大先生様とは
全く話が合わなかったことでしょう。

音楽評論家の渡辺和彦氏は書いておられます。

「サン=サーンスなどの作品の面白さを本当に味わうことができる人こそ、音楽分野の文明人。
 彼らの作品を 『華麗だが内容に乏しい』 と軽蔑し、
 その対抗馬にベートーヴェンのコンチェルトやカルテットを持ち出す人は野暮天だ。
 ごはんと味噌汁があれば、ケーキも紅茶もいらないという無粋者に、
 サン=サーンスの音楽の贅沢で粋な味わいが分かるはずもない」
  (「ヴァイオリン/チェロの名曲名演奏」 音楽之友社、1994年、142ページ)
2016.03.03 Thu 06:51 URL [ Edit ]

珍しい編成です。 - 管理人:芳野達司

木曽のあばら屋さん、こんにちは。
吉田秀和の「LP300選」はバイブルなのですが、悪い影響も与えられてしまいました。その大きなひとつが、サン=サーンスです。今読み返してみても、ボロクソ書いています。
野暮天はいいですね。笑
サン=サーンスは、とくに室内楽の分野においては、ブラームスと比肩するのじゃないかと、今は思っています。
2016.03.04 06:45
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