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野村ノート、シュライアー、ギターによる民謡集

2011.04.03 - オムニバス

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ペーター・シュライアー(T) コンラート・ラゴスニヒ(G)


野村克也の楽天監督時代、試合が終わったあとのひとこと談話が評判だった。それは大抵、ぼやきとかグチなのだが、少々疲れた猫背の老監督の口から発せられると、なんともいえない味があって嫌いではなかった。
「野村ノート」は、その集大成としても読むことができる。
ヤクルト時代にさんざん世話をした石井(一)から年賀状がこないのは彼の性格上わからなくもないが、古田から来ないのは納得できない、とか、南海時代の江夏と江本と門田は人の言うことをまったく聞かなかった、なんていう話は、監督の渋面が目に浮かんできて笑える。
監督としての統率力についてもよく書かれていて、このあたりはビジネス本としても読めるだろう。でも、野球に関する部分がやっぱり面白い。
例えばシニア・リーグの試合の話。一死三塁の場面で打者がスクイズしようとしたが、バッターボックスから足が出てしまった。このとき、審判は三塁ランナーをアウトにした。それを見た著者が、打者がアウトなのではないかと言いに行ったが、聞き入れてくれない。後日、東京ドームの審判員室で聞いたら、それは審判が正しいとのこと。意外!
かように野球のルールは複雑であるから、野球選手というものは野球博士にならなければならない、というわけ。


シュライアーとラゴスニヒによる民謡集。このコンビによるものは、なんといっても「美しい水車小屋の娘」が有名。シュライアーのみずみずしい声が素晴らしいのはもちろんで、ラゴスニヒの抒情的なギターの音色が、優しくて繊細で、まさに若者を見守る川といった風情がたっぷりなのである。あれを聴いたら、このコンビによる他の歌をどうしても聴きたくなる。
このCDに収められている曲を、ほとんど初めて聴いた。ウェルナーが作った「Sah ein Knab ein Roslein stehn」という曲が「野ばら」によく似ている(野ばらが似せたのかも?)以外は、聴き覚えのない曲ばかり。それぞれ曲そのものは、シューベルトの連作歌曲に及ばない。けれども素朴で鄙びた味わいは捨てがたいものがあって、それはやっぱりギターという楽器の魅力によるところが大きい。キリっと辛口の白ワインがよく合う。

1. Es flog ein kleins Waldvogelein
2. Herzlich tut es mich erfreuen
3. Wenn ich ein Voglein war
4. Das Lieben bringt gross' Freud'
5. Sie gleicht wohl einem Rosenstock
6. Im schonsten Wiesengrunde
7. Sah ein Knab ein Roslein stehn
8. Lorelei
9. Im Krug zum grunen Kranze
10. Kein Feuer, keine Kohle
11. Mir ist ein feins brauns Maidelein
12. In einem kuhlen Grunde
13. Verstohlen geht der Mond auf
14. Wenn alle Brunnlein fliessen
15. Du mein einzig Licht
16. All mein Gedanken
17. Es fiel ein Reif in der Fruhlingsnacht
18. An der Saale hellem Strande
19. Nach gruner Farb mein Herz verlangt
20. Es steht ein Lind in jenem Tal
21. Weiss mir ein Blumlein blaue
22. Winterreise Op. 89 D. 911: Am Brunnen vor dem Tore
23. Mein Madel hat einen Rosenmund
24. Der Mond ist aufgegangen

1986年5月、ドレスデン、ルカ教会での録音




義理の母は陸前高田の出身で、先週に続いて今夜も葬儀に向かう。新幹線は動いていないので次男の車で行くしか手立てがない。留守の間の義父の介護のため、うちのカミサンが出動。
三人の死亡が確認できただけで、あとは行方不明であったところ、昨日にひとり確認できた。遺体は損傷が激しく、近親者が見ても本人かどうかわからないので、警察によるDNA鑑定を行った。墓地は流されているので、焼いた遺骨は避難所に置いておくしかないのだ。
私は何年か前の夏休みに一度、親戚を訪ねついでに高田松原に遊びに行ったことがある。海辺の白い砂がまぶしい、世俗と隔絶したように美しい海だった。




na

近所の菜の花。
きれいなたけではなく、食べるとうまいところが偉い。
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