忍者ブログ

選択したカテゴリの記事一覧

ミケランジェリのショパン「ワルツ」

2007.09.22 - ショパン

Michelangeli

ミケランジェリのショパン


1962年、トリノでの放送録音。映像はモノクロであるものの鮮明であり、鍵盤を弾く指のみならずペダルを踏む足まで捉えられており、カメラワークの点で、先に発売されたルガーノのライヴよりもよい。音質はモノラルであるが、重量感のあるピアノの音を充分にカバーしていて不満はない。
ここでは、ショパンの曲を十数曲聴けるが、ワルツを除いては、彼が70年以降まで引き続けたものではないかと思う。バラードとスケルツォはDGの録音に含まれているし、ソナタとアンダンテ・スピアナートは最後の来日公演で演奏されている。
彼の弾くワルツは、以前に買った10枚組に収録されていたのだが、音源はこのトリノでの放送録音なのかもしれない。曲目が全く同じだからである。ミケランジェリの10枚組は今では何種類かあるようだが、あそこにも入っているかもしれない。
ここで彼が弾いているのは、9番(Op.69-1)、2番(Op.34-1)、19番の3曲である。たったこれだけであるが、印象は鮮烈だ。
この曲集では、洒落たセンスのリパッティ、酩酊状態のフランソワ、背筋をピッと伸ばしたように立派なルービンシュタイン、生真面目なアシュケナージといったところを思い出すが、ミケランジェリのは誰とも違う。テンポの微妙な変化や、強弱が織りなす味わいは、とても厚みがあってボリューム感たっぷりだ。とても表情が濃いので退廃的な匂いすら感じるが、ピアノの響きが透明でなので、中和された結果、妙な清潔感もある。
彼のワルツが3曲しか残されていないのか、どうかわからないが、この3曲が存在するだけで、ワルツの演奏では彼のものが一番いいのではないかと思っている。
PR
   Comment(2)   TrackBack()    ▲ENTRY-TOP
カレンダー
06 2025/07 08
S M T W T F S
2 3 4 5
6 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
最新コメント
アリス=紗良・オットのピアノリサイタル from:Yoshimi
-06/29(Sun) -
河野真有美、Fantastico from:Yoshimi
-05/21(Wed) -
ポペルカ、バボラーク、NHK交響楽団 from:老究の散策クラシック限定篇
-02/23(Sun) -
ポペルカ、バボラーク、NHK交響楽団 from:老究の散策クラシック限定篇
-02/16(Sun) -
ポペルカ、バボラーク、NHK交響楽団 from:老究の散策クラシック限定篇
-02/16(Sun) -
最新TB
カテゴリー