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ミケランジェリのショパン1962年、トリノでの放送録音。映像はモノクロであるものの鮮明であり、鍵盤を弾く指のみならずペダルを踏む足まで捉えられており、カメラワークの点で、先に発売されたルガーノのライヴよりもよい。音質はモノラルであるが、重量感のあるピアノの音を充分にカバーしていて不満はない。
ここでは、ショパンの曲を十数曲聴けるが、ワルツを除いては、彼が70年以降まで引き続けたものではないかと思う。バラードとスケルツォはDGの録音に含まれているし、ソナタとアンダンテ・スピアナートは最後の来日公演で演奏されている。
彼の弾くワルツは、以前に買った10枚組に収録されていたのだが、音源はこのトリノでの放送録音なのかもしれない。曲目が全く同じだからである。ミケランジェリの10枚組は今では何種類かあるようだが、あそこにも入っているかもしれない。
ここで彼が弾いているのは、9番(Op.69-1)、2番(Op.34-1)、19番の3曲である。たったこれだけであるが、印象は鮮烈だ。
この曲集では、洒落たセンスのリパッティ、酩酊状態のフランソワ、背筋をピッと伸ばしたように立派なルービンシュタイン、生真面目なアシュケナージといったところを思い出すが、ミケランジェリのは誰とも違う。テンポの微妙な変化や、強弱が織りなす味わいは、とても厚みがあってボリューム感たっぷりだ。とても表情が濃いので退廃的な匂いすら感じるが、ピアノの響きが透明でなので、中和された結果、妙な清潔感もある。
彼のワルツが3曲しか残されていないのか、どうかわからないが、この3曲が存在するだけで、ワルツの演奏では彼のものが一番いいのではないかと思っている。PR
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